用語

AOC(Appellation d'Origine Contrôlée)

AOC(Appellation d'Origine Contrôlée)

フランスのワインをはじめとする農産物や食品の品質を保証するための、非常に重要な法律に基づく認証制度。 日本語では「原産地統制呼称」と訳される。

オリ

オリ

ワインにおける「オリ(澱)」とは、ワインの成分が熟成の過程で結晶化したり、沈殿したりした固形物のこと。 主に赤ワインでよく見られるが、白ワインにも発生することがある。

シャルマー方式

シャルマー方式

「タンク方式」「密閉タンク方式」とも呼ばれとも呼ばれる、シャンパーニュ方式、に比べてより短期間で大量生産できる効率的な製法。

製法

  1. まず、ベースとなるスティルワイン(泡のないワイン)を大きな密閉式タンクに入れる。
  2. このタンク内で、糖分と酵母を加えて二次発酵を促す。発生した炭酸ガスはタンク内に溶け込み、泡となりる。
  3. 二次発酵後、酵母を取り除き、圧力下で瓶詰め。

特徴

  • 泡: シャンパーニュ方式に比べると泡はやや大きめで、持続性は劣る傾向がある。
  • 味わい: 酵母と接触する時間が短いため、ブドウ本来のフルーティーでフレッシュな香りが際立る。
  • コストと時間:大規模なタンクでまとめて製造するため、時間とコストを抑えられ、比較的安価なスパークリングワインに用いられる。

主なワイン

  • プロセッコ(イタリア)
  • ランブルスコ(イタリア)
  • 多くのドイツのゼクト
シャンパーニュ方式

シャンパーニュ方式

「トラディショナル方式」「瓶内二次発酵方式」とも呼ばれる、手間とコストがかかる高級な製法。

製法

  1. まず、ベースとなるスティルワイン(泡のないワイン)を造る。
  2. このベースワインを一本一本の瓶に詰め、糖分と酵母を加えて、王冠で密閉する。
  3. 瓶の中で再びアルコール発酵(二次発酵)が始まり、このときに発生した炭酸ガスが液体に溶け込み、泡となる。
  4. 発酵が終わった後も、オリと一緒に瓶内で長期間熟成させる。これにより、パンやブリオッシュのような独特の香ばしい風味(イースト香)が生まれる。
  5. 熟成後、瓶口に澱を集める作業(動瓶)を行い、瓶口を凍らせて澱を取り除く(デゴルジュマン)。
  6. 最後に、減った分を補い、糖分調整のためのリキュールを加えて栓をする。

特徴

  • 泡: 泡がきめ細かく、持続性が高い。
  • 味わい: 複雑で深みがあり、イースト香や熟成香が感じられる。
  • コストと時間: 1本1本手作業で行う工程が多く、時間とコストがかかるため、高価なスパークリングワインに用いられる。

主なワイン

セニエ法

セニエ法

ロゼワインの製造方法の一つで、赤ワインの製造工程を応用したもの。 赤ワインを造る際に、果皮と果汁を一緒に漬け込んで色や成分を抽出する過程で、まだ色が薄い段階の果汁の一部を抜き取って、それを発酵させてロゼワインにする製法。

特徴

  • 色合い: 果皮に触れる時間が長いため、直接圧搾法で造られたロゼワインよりも色が濃く、鮮やかなピンクや濃いサーモンピンクになる傾向。
  • 味わい: 果皮からの抽出時間が比較的長いため、果実味がしっかりとしており、タンニンも感じられる、ボディのしっかりとした味わいになる。

ロゼワインの製造法には、このセニエ法の他に、黒ブドウを白ワインのようにすぐに圧搾して造る直接圧搾法などがある。セニエ法は、直接圧搾法よりも濃い色合いとしっかりとした味わいのロゼワインが生まれるのが特徴。

デカンタージュ

デカンタージュ

ワインを瓶からデカンタ(画像)に移し替えること。

目的

1. 澱(おり)を取り除く

長期熟成されたワインには、色素やタンニンなどが結晶化したが沈殿していることがある。澱は口当たりが悪く、ざらついた感触があるため、デカンタージュによって澱をグラスに入らないようにする。熟成された赤ワインが対象。 光にかざしながらゆっくりと静かにワインをデカンタに注ぎ、澱が瓶口に近づいてきたら注ぐのをやめる。

テロワール

テロワール

ワインをはじめとする農産物の個性を形づくる、複合的な自然環境要因を指す言葉。単に「土壌」や「気候」といった一つの要素ではなく、複数の要素が組み合わさってその土地独自の風味や特徴を生み出すと考えられている。 テロワールは、同じブドウ品種を使っていても、産地が違えばまったく異なる味わいのワインが生まれる理由を説明する上重要な概念。 例えば、ブルゴーニュ地方のピノ・ノワールと、カリフォルニアのピノ・ノワールは、テロワールの違いによって異なる個性を持つワインになる。

バルクワイン

バルクワイン

詰めされていない状態で、大型の容器(タンクやコンテナなど)で取引・輸送されるワイン。 通常、ワインは生産地で瓶詰めされてから消費地へ運ばれるが、バルクワインは、大型容器で輸入された後に消費地で瓶詰めされる。

ブショネ

ブショネ

「ブショネ」(Bouchonné)とは、ワインの品質を損なう代表的な欠陥臭の一つで、コルク栓の汚染が原因で起こる現象のこと。フランス語の “bouchon”(ブション)が「コルク」を意味することから、この名前がつきました。英語では「corked wine」(コークド・ワイン)とも呼ばれる。

炭酸ガス吹込み方式

炭酸ガス吹込み方式

「炭酸ガス注入方式」とも呼ばれる。最もシンプルで、短期間で安価にスパークリングワインを造る方法。

製法

  1. まず、ベースとなるスティルワイン(泡のないワイン)を造る。
  2. ワインに直接、人工的に高圧の炭酸ガスを吹き込んで溶かし込む。
  3. 瓶詰めする。

特徴

  • 泡: 泡は大きく、持続性が低い傾向がある。グラスに注ぐとすぐに泡が消える傾向がある。
  • 味わい: ブドウ本来の味わいを楽しむことができ、製法による複雑な風味はない。
  • コストと時間: 非常に短期間で製造できるため、コストが最も抑えられ、低価格帯のスパークリングワインに多く用いられる。

主なワイン

安価なテーブルワイン